Hirom's Amblin' Report
七月大歌舞伎 夜の部
- 2010年7月17日 23:17
- 歌舞伎
歌舞伎座のさよなら公演が終わってちょっと気が抜けたというわけでもないのだが、チケットを取ってあっても都合が悪くなったり体調を崩したりで行けていなく、今日は久しぶりの歌舞伎鑑賞となった。新橋演舞場2階席花道側より。この場所は花道がまったく見えないのだけど仕方ない。
最初は歌舞伎十八番の内『暫(しばらく)』である。鎌倉権五郎はもちろん團十郎、鯰坊主の鹿島入道震斎を三津五郎、女鯰と見せて実は那須九郎妹照葉を福助。歌舞伎座の舞台の広さ、奥行きは、この芝居を大きく見せてくれていたなぁとしみじみと思う。新橋演舞場では、なんとなく荒唐無稽さが損なわれてる感がある。いっそもっと狭い舞台だと面白いのかも。
二つ目は『傾城反魂香(けいせいはんごんこう)』より「土佐将監閑居の場」、つまり「ども又」。すごく久しぶりに見る気がするが、いつ以来かな?浅草の勘太郎以来か?浮世又平は吉右衛門、女房おとくが芝雀、土佐将監は歌六で実に安定した芝居だった。ちょっと最後のども又がはしゃぎ過ぎだったがいいか。
最後の『馬盗人(うまぬすびと)』はコミカルな短い狂言。ならず者悪太を三津五郎、だまされる百姓六兵衛を歌昇でうまい掛け合い。巳之助がならず者すね三で一緒に舞台を踏み、父譲りのユーモラスな達者ぶりを見せてくれる。しかしMVPは馬だな。また見たい。
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串揚げ 多奈何
- 2010年7月10日 21:58
- お店
半日缶詰の研修会を終え、8耐準備のためデジカメを買い替えに新宿西口まで出てる相方と合流する。蒸し暑い。スタバで涼みながら、何を食べようか相談し、揚げ物な気分と一致した。『食べログ』で検索して近くの『串揚げ 多奈何』という店へ行ってみた。時刻は午後7時ちょっと前。食事するにはいい頃合いだ。
店の場所が賑やかな所から一本はずれているせいか、客がいない。おかげでカウンター席に座らせてもらい、大将と店員とで出て来る品について説明を受けながらゆっくり食べられた。最初はおまかせコースにしたのだが、まず突き出しが2品。これがおいしくて期待できそうな予感でいっぱいのところへ、生野菜の盛り合わせ。これまたパリしゃきっとして美味しい。串揚げは活海老からだったが、とにかく口に入れて一口噛んだ瞬間に広がる香りの良さが素晴らしい。その後の串もすべて、味もいいが香りがいい。軽い衣でさくさくふわふわ。気がつけばかなりの本数を食べてしまった。
最後に「おまけ」とデザート串をいただき、おいしい緑茶でさっぱりして終了。大満足。定番串もあるそうだけど、季節ごとに串の内容は変わるらしい。今は鱧と稚鮎。アスパラもなかなかないような見事なものだった。ぜひまた来なくっちゃ。
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四月御名残大歌舞伎 第三部
- 2010年4月27日 23:16
- 歌舞伎
昨年1月に始まった「歌舞伎座さよなら公演」も明日の千秋楽を以て全て終了である。本当は千秋楽に行きたかったのだが、さすがにチケットが取れず、楽前日で我慢することとした。チケットが確保できた直後から職場では「5時上がり」を宣言し、いろいろと工作して5時過ぎに脱出できた。歌舞伎座着は午後6時。大賑わい。カウントダウンの数字は「あと4日」で、やはり皆様お写真を撮るのに忙しくしてた。ささっとカウントダウン掲示板だけ写して中へ。今日の同行者は母。これを見せなきゃ恨まれそうだったので。ちょっと早い母の日のプレゼントで良かったかな。
『実録先代萩(じつろくせんだいはぎ)』は乳人浅岡を芝翫の予定だったが、体調不良で休演中とのこと。代役は福助で、すごく頑張っていた。かなりいい。片倉小十郎が幸四郎で、いつもよりよく通る台詞回しで好演。しかしやはり先代萩と言えば子役だろう。今回は亀千代を千之助、千代松を宜生だったのだが、二人とも、うまい。10歳と8歳だそうだが、こんな子らがいるのならどちらも家も安泰だろう。宜生は兄達よりいいんじゃないか。
そして〆は歌舞伎十八番の内『助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)』を海老蔵の口上による幕開けで、團十郎が助六、玉三郎が揚巻という最もおいしい配役での一幕だ。髭の意休が左團次、手下のくわんぺら門兵衛になんと仁左衛門、白酒売は菊五郎で、福山のかつぎは三津五郎、揚巻同僚の白玉に福助、そして股潜りをさせられる通人が勘三郎...と、書き出しただけでわくわくする豪華さだ。それぞれに素晴らしく楽しい一幕だったが、客を湧かせたのはやはり勘三郎で、通人のお喋りのとこで「歌舞伎座にはしばしさよなら、新しい歌舞伎座でまた新しい夢を見せてもらいましょう」と。江戸歌舞伎の代表格である演目を江戸歌舞伎の象徴のような成田屋が演じる舞台で、あれだけ人気をさらっちゃうのはこれまた江戸歌舞伎を支えてきたのは中村屋でもあるという自負があってこそだろう。すごい人だ。
芝居がはねても、場内は写真を撮る人が残ってなかなか閉められない。普段なら追い出しにかかる係員の方々も、ある程度は許容していいことになってるのか撮影係に回ったりして楽しそう。これまで、通常の興行では楽日でも平日だと席が空いてることだってあったのに、今月は最後の週末あたりから徹夜組が出ての当日券、幕見席の争奪戦まであったとか。新しい歌舞伎座の落成時にもさぞかしチケット争奪戦になることだろう。しかし、それまでの間、ちゃんと皆、観に行くかな?それがちょっと心配なのであった。
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四月御名残大歌舞伎 第一部
- 2010年4月18日 21:56
- 歌舞伎
昨日に引き続き、今日は第一部。開演30分前に着いたけど、今日も押すな押すなの人だかり。あちこちで記念撮影をする人の姿を見受けられた。
幕開きは『御名残木挽闇爭(おなごりこびきのだんまり)』。一応は曽我ものになるんだろうが、要するに顔見世狂言なので筋はあるようでない。それぞれの装束やら所作やらを楽しめばよいのだろう。三津五郎、時蔵、芝雀、染五郎、松緑、菊之助、海老蔵、勘太郎、七之助、孝太郎、獅童といったところ。こういう演目はイヤホンガイドがあってくれて、とても助かる。先月、今月と久しぶりにイヤホンガイドを使っているが、特別な点などをしっかり解説してくれているので本当にありがたい。空き時間には座談会や川柳などもあって楽しかった。
二つ目は『一谷嫩軍記 熊谷陣屋(いちのたにふたばぐんき くまがいじんや)』をじっくりと。熊谷直実は吉右衛門、相模を藤十郎で、この静かな悲劇を噛み締めるように演じて見せてくれた。さらに最後の方にしか出て来ないが重要な役である白毫弥陀六を富十郎が好演。息子がらみでない時の富十郎は、これまで通りの良い役者で安心して見ていられる。この演目で一瞬も寝ないでいられたのは、初めてだったかもしれない。
最後は今日一番のお楽しみ、中村屋の『連獅子(れんじし)』である。中村屋だから当然、親と子が2人の三人連獅子になるわけで、これはほんっとに楽しみにしてきたのだ。以前にも見ているが、とにかく三人の息の合い様が素晴らしい。このぴたっと揃った毛振りは何度見ても溜め息が出てしまう。しかも今回は獅子の精の花道からの出の部分で、いったん後ろ向きのまま戻るのを三人一緒にやるという超絶技巧が加えられていた。これまた見事な引っ込みで、素晴らしいとしか言いようがない。つなぎの橋之助と扇雀の掛け合いも良かった。
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御名残四月大歌舞伎 第二部
- 2010年4月17日 23:40
- 歌舞伎
さていよいよ今月で歌舞伎座はいったん閉場。ここに来て、最後に行っとこうという人で歌舞伎座は大賑わい。中でも外でも写真を撮りまくる人がいっぱいいて、グッズの売り場は列が出来、押すな押すなの大盛況だ。歌舞伎会に入ってたから三部ともチケットを確保できたけど、入ってなかったら難しかっただろうなぁ。良かった良かった。というわけで、本日は先ず第二部から。
最初は『菅原伝授手習鑑 寺子屋(すがわらでんじゅてならいかがみ てらこや)』だ。今年になってから通しでやってる感のあるこの芝居も、とうとう最も有名なこの場面になった。仁左衛門の武部源蔵、玉三郎の千代、幸四郎の松王丸に勘三郎の戸浪である。期待通りの良い芝居。こんなに伝わってくる寺子屋は初めてだった。たいがいはつまらなくなって後半で寝そうになるんだが。しっかり集中して息を詰めて見てしまった。
お次ぎは悲劇からがらっと雰囲気を変えて『三人吉三巴白浪(さんにんきちさともえのしらなみ)』から七五調の台詞回しも心地良い「大川端庚申塚の場」。お嬢吉三が菊五郎、和尚吉三が團十郎、お坊吉三は吉右衛門という豪華な面子である。出来がどうこうとか言うレベルではない。ひたすら、いい芝居をいい役者が勤めて、客席はただただ魅せられるのみって感じであった。いやー、ごちそうさま。
そしてトリは藤十郎の『藤娘(ふじむすめ)』で華やかに艶やかに。この人は本当に年齢を感じさせない素晴らしい役者で踊り手だと思う。幕が開いた瞬間の舞台いっぱいの藤の花が、これほど輝いて見える人もいないのではなかろうか。ただただうっとり。
今月は本当にどの演目も素晴らしい顔ぶれで、どれを取っても楽しみでないものなどないのだが、ここまで頑張られちゃうと来月以降の舞台がつまらなく見えるんじゃないかと心配。その予防線としての花形歌舞伎なのか?と勘ぐってみたり。とりあえず、明日は第一部。そして楽前日に第三部だ。
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御名残三月大歌舞伎 第三部
- 2010年3月27日 23:25
- 歌舞伎
さて第三部。『菅原伝授手習鑑 道明寺(すがわらでんじゅてならいかがみ どうみょうじ)』は、仁左衛門が菅丞相で木像と本人の演じ分け。溜め息が出るような品のある菅丞相で、聡明そうで素晴らしい。覚寿は玉三郎が好演。いずれも親達の追善興行に相応しい良い芝居だったんじゃなかろうか。彌十郎の宿禰太郎、錦之助の奴宅内、孝太郎の苅屋姫と若手も健闘。しかし歌六の土師兵衛は深みがあって良かったな。さすが。
もう一演目は『文珠菩薩花石橋(もんじゅぼさつはなのしゃっきょう)』。どうして富十郎は鷹之資と一緒に出てるとダメダメになっちゃうんだろう...子供に気を使い過ぎだからか。自分が高齢だから、少しでも元気なうちに息子をたくさん舞台に載せて実績を作ったりいろいろ伝えたりしたいって気持ちはわかるんだけど、出し過ぎというか、やり過ぎな気がする。男某で松緑、修験者に錦之助、寂昭法師が幸四郎で、脇に救われていた感じだった。残念。
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御名残三月大歌舞伎 第二部
- 2010年3月14日 23:56
- 歌舞伎
いよいよ来月までとなった現歌舞伎座での興行は、最後の2ヶ月が激混みを予想しての三部制である。職場で「一度でいいからなくなる前に歌舞伎座内に入ってみたい!」という希望の人がいて、今日は生歌舞伎初体験の彼女と一緒に行った。開演は午後2時半からだったので、2時過ぎにさっさと入って1階から3階までを文字通り駆け足で案内し、いろいろと喜んでもらえたようなところで開演となった。
この第二部は2演目だけ。最初は『菅原伝授手習鑑 筆法伝授(すがわらでんじゅてならいかがみ ひっぽうでんじゅ)』だ。今月は『菅原伝授手習鑑』でもなかなか見ないこの話と『道明寺』が出ていて面白い。仁左衛門が菅丞相をクールに気高く演じれば、武部源蔵を梅玉が好演、希世が東蔵でこれまた下品にならずユーモラスに嫌な奴を演じている。初めて見たが、久しぶりに借りたイヤホンガイドの解説のおかげもあり、とても面白かった。
休憩は15分だけで、お土産物の売り場をぐるっと回っただけで終わってしまった。しかしその時点で同行者からは「面白い!来月も来たい!」のお言葉が出てくれて、連れてきて良かったと感動。その場で来月分の彼女のチケットを手配したのだった。後になって、これが大正解だったのが判明する。なぜならば、この時点ではまだ一般発売前日だったので取れたのだが、四月分は一般発売が始まった日に、全席売り切れたらしいのだ。歌舞伎会の会員で、ほんっとに良かった。
さてもう一つは『弁天娘女男白浪(べんてんむすめめおのしらなみ)』で「浜松屋」と「稲瀬川」だ。説明不要の楽しさ。弁天小僧はもちろん菊五郎、南郷力丸が吉右衛門で、日本駄右衛門が幸四郎、忠信利平が左團次、赤星十三郎が梅玉。浜松屋のせがれで菊之助が出演していて、しみじみ豪華キャストと溜め息が出る。吉右衛門の南郷力丸が予想外に良くて、このところ私の中の吉右衛門評価は上昇傾向だ。第一部の石川五右衛門もやっているらしいので楽しみ。
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